大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)3591 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人桑名邦雄の上告趣意第一点及び第二点について。

原判決の維持している第一審判決の判示するところによれば、被告人は「田圃で

草取仕事をして居たA(当十八年)を目撃するや俄かに劣情を催し、同女を姦淫し

ようと考え、右手をもつて同女の左手首及び肩等を掴んで前記田圃より約十五米は

なれた通称石沢山のくぼ地に引張りこみ、同女に対し「大声を出しても駄目だ、俺

の言うまゝにならなければ殺してしもうぞ」などとおどしつけて脅迫し、更に同女

をして無理矢理に腰をおろさせたうえ、その肩を押して横倒しにしたり、或は頭髪

を引つぱる等の暴行を加え強いて姦淫しようとしたが、同女がこれに抵抗して逃げ

去つた為にその目的を遂げなかつたものである。

右の判示によれば被告人が強姦の意思を以てこれに着手したものであること並に

その暴行及び脅迫が被害者の抗拒を著しく困難ならしめる程度のものであつたこと

が、判文自体において明らかであるから、原判決がこれを強姦未遂罪としたことは

正当である。所論援用の判例はいずれも本件に適切でない。論旨は理由がない。

同第三点について。

所論は原審において控訴趣意として主張されず原審の判断を経ていないところで

あるから適法な上告理由とならない。(当裁判所の嘱託に基き新潟地方裁判所長岡

支部から送付された告訴調書謄本の記載によれば、被害者Aから司法警察員に対し

て本件の告訴がなされたことが認められる。)

なお記録を精査しても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により主文のとおり判決する。

この判決は、裁判官全員一致の意見である。

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昭和二八年一二月一五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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